京都精華大学 教育後援会 Kyoto Seika University Parents Association

2017.09.08

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2017年度教育懇談会(本学会場)を開催しました

教育懇談会は講演会や教職員との面談を通じて、学生の修学状況、本学での学びや進路・就職などについて理解を深めていただくことを目的に、年に1回開催しています。今年は約290名の会員のみなさんがご参加くださいました。
はじめに、教育後援会顧問の竹宮恵子学長と、井上教育後援会会長からの挨拶がありました。
続いて、「新しい未来の見つけ方」と題して、卒業生の藤原康教さん(人文学部卒)と、箭野美里さん(デザイン学部卒)から、在学中の専門分野に捕らわれない働き方について、講演がありました。

現在、株式会社 山田松香木店で働く藤原さん。学生時代は農業政策論を専攻していたこともあり、卒業論文でお世話になっていた農家が起ち上げ予定の農業法人で就職するつもりでした。
しかし、4回生の夏に法人化の話が中止になったため、急いで大学の就職課に相談し、紹介された一つが、山田松香木店でした。
この会社を選んだ理由の1つは、学生時代から匂いに関係したプレゼントを友人に渡すのが好きだったことでした。しかし、学生時代の専攻分野とは関係がなく、縁があって入社出来たものの、入社当初はただ目の前の仕事をこなす毎日で、給料明細を見るのが唯一の楽しみでした。

転機となったのは2011年3月11日の東日本大震災。会社を上げて募金に協力出来ないかと考え、被災地の会津木綿を使った匂い袋の制作を提案しました。結果これが採用され、若手社員でありながら社長に直接提案できる中小企業の良さを実感しました。
思いもよらない形で就職先を選択することになった藤原さん。現在は仕事を単なる労働として見るのではなく、仕事自体に生きがいを感じているそうです。

ソーシャルデザインカンパニーという聞き慣れない業種で働く箭野美里さんは、デザイン学部在学中は「何か作品を作らなければ」という思いを常に感じていました。


その思いを突き詰める中で「作りたいものは何なのか」という壁にぶつかり、クラスメイトと自分を比較しては、やりたいことは何か自問自答する毎日が続きました。
一方で、就活時期に映画作りに没頭したことで、「誰かを支えることが好き」だと感じ始め、「自分が主役ではなく誰かをサポートする仕事に就く」という選択肢が生まれました。
さらに、会社選びについて、「大企業ではなく人の顔の見える会社」、「面接だけではなくインターンシップからスタートできる会社」、「自分の良さを直接伝えることが出来る場所」という3つの条件を決めることにつながりました。この条件から就職先を探していくうちに、『平日が待ちきれないほど、仕事が楽しい!』というNPO法人スマイルスタイル、通称スマスタのコピーに出会ったそうです。
箭野さんは在学中に迷い悩みながらも、無関係に見える多くの人や物事に関わり、広い視野を持ったことで、今の仕事と出会うことが出来ました。『社会問題を解決していくためのソーシャルデザインで、あらゆる境遇の人が普通の幸せを感じられるための社会づくりに挑戦する』今の職場は「平日が待ちきれないほど、仕事が楽しい」と語りました。

司会を務めた本学キャリアデザインセンター教員で編集者でもある川端平気先生は、有名企業しか受けない学生は、本当に自分に適した企業を見つけられていない可能性が高く、必要な情報が『本当に情報を届けなきゃいけない学生に届いていない』ケースが多いと話します。

これから伸びる企業や、未来志向の企業などは、意識の低い学生しか集まらないので、大手求人サイトに求人を出さない。だからこそ就職支援グループに足を運べば、様々なアドバイスや紹介が出来るので、お子さんが進路に後ろ向きになっていたら、さりげなく就職支援グループに来るように伝えてあげてくださいと語りました。

最後に、キャリア支援グループ職員の矢澤愛さんが、本学のキャリア支援内容について講演しました。入学時に決めた所属学部やコースが、そのまま進路になるケースもあるが、決してそれが全てではなく、学生生活の中で様々なものを学ぶことで、「何が好きか」「何ができる(したい)か」が見えてくるケースが多々あると語りました。また、「“好き”や“得意”を仕事にする」という、本学のキャリア支援のコンセプトについて触れ、キャリア教育科目や、豊富な講座などを用意することで、1回生の段階から実社会や企業との接点を多く設けていることなどの説明がありました。

講演会終了後には教職員との面談時間が設けられ、それぞれの会場で、普段のお子さんの生活・学習状況などについて熱心に話し合う様子が見られました。

最後は学生食堂に集まり、懇親パーティーを行いました。教職員と保護者のみなさんでテーブルを囲んで語らいの時間がもたれました。